@article{oai:iot.repo.nii.ac.jp:00000083, author = {神本, 武征 and Takeyuki, KAMIMOTO}, issue = {3}, journal = {ものつくり大学紀要, The Bulletin of Institute of Technologists}, month = {}, note = {グローバル経済の進展とともに先進国が占有してきたエネルギー多消費型の社会構造が世界の発展途上国に拡大している.これに伴い化石エネルギー、鉱物資源、水・食料資源の不足と大気環境の汚染が深刻な問題として浮上してきた.さらに欧州など先進国の国家財政の危機が重畳して世界経済も極めて不安定な状態となっている.先進諸国の急速な老齢化傾向も多額な国家支出を強いている.このような悪い状況を解決し、次の世代が持続的に発展できる基礎を固めることは現代の世代に課せられた必須の使命である¹⁾. 我々が確立した現在文明は化石エネルギー、特に石油に依存する石油文明といわれる.産業革命以来の100有余年間で既に推定埋蔵量3兆バレルの半分を使い果たし,新しい油田の開発が停滞する現在,石油の生産は図1に示すようにピークを迎えつつある.カナダのオイルサンドやオリノコ川流域の重質油の生産は増加すると見込まれるが,高価格化は免れず21世紀の後半には産油量は現在の数分の一になると予想されている.天然ガス、石炭など他の化石燃料資源も石油の後を追って枯渇すると予想される.多量なエネルギーの消費を前提とする現代社会を持続可能な社会に変換するには低エネルギー消費型の社会を構築するとともに化石燃料に替わる新エネルギーを創生することが必須となる. 将来の化石燃料の供給不足を予見して欧米では風力発電,太陽熱発電,太陽光発電の導入を進めている.図2 はドイツのLudvig Bolkow SystemTechnik が作成した将来のエネルギー供給計画である²⁾.風力発電,太陽熱・光発電,バイオ燃料・発電を次第に増やし,21 世紀末には全エネルギー供給量の80%以上を再生エネルギーで賄う計画である.直射日光の強い地域では太陽熱発電がコスト的にも出力的にも適している.アフリカ北部と欧州南部の地中海地方はサンベルト地帯と呼ばれ,この条件に合致する.図3 はEuro-Mediterraneangrid interconnecting sites のヴィジョンである³⁾.サンベルト地帯の太陽熱発電,大西洋沿岸地域の風力発電,内陸部の水力発電,地熱発電を結ぶ遠大な電力ネットワークの構想である. これに対し,わが国は原子力発電を将来エネルギーの中心に考えてきたので、再生エネルギーの導入は政策,技術,インフラ整備すべての面で欧米に比べて著しく遅れている.総発電量の約3 割を占めた原子力発電を全て停止した状態で,来るべき化石エネルギーの逼迫と価格高騰に対応できるどうか極めて不安な状態にある.本稿では日本における自然エネルギーの導入の現状と今後の課題について概観する.}, pages = {74--78}, title = {自然エネルギー導入の現状と課題}, year = {2012}, yomi = {カミモト, タケユキ} }